年賀状じまいを不愉快に思う人もいる?角を立てない文面での配慮

最近、新年の挨拶を年賀状から別の形へ移行する、いわゆる「年賀状じまい」を選択される方が本当に増えてきましたね。
総務省の統計調査でも、日常生活における連絡や情報共有の手段としてSNS等の利用が幅広い世代で定着していることが示されており、年始の挨拶ツールも時代とともに多様化しています。
(出典:総務省『令和7年通信利用動向調査の結果』)
私自身も、毎年の年末の慌ただしさの中で「そろそろ年賀状のやり取りを見直そうかな」と考えたことがあるのですが、いざ実行しようとすると「年賀状じまいをすると不愉快に思われるのではないか」「失礼にあたって、大切な友人や親戚との関係が悪くなってしまうのではないか」と、色々と悩んでしまいました。
ネットで検索してみても、受け取った側が「なんだか冷たい」と感じたり、「なぜ突然やめるんだろう?」とモヤモヤしたりするケースが少なくないようです。
長年続いてきた習慣だからこそ、お互いに気持ちよく新年を迎えるためには、相手の気持ちに寄り添った伝え方やマナーがとても大切になってきますね。
今回は、年賀状じまいで相手を嫌な気持ちにさせないための具体的なポイントや、そのまま使える円満な文例について、一緒に詳しく見ていきたいと思います。
- 年賀状じまいを受け取った人が不快に感じる根本的な理由
- 人間関係にヒビを入れないためのNGな文面や行動
- 相手を傷つけずに辞退を伝えるための基本マナー
- 親戚や友人など送る相手別のそのまま使える文例
年賀状じまいで不愉快に感じる理由と避けるべき対応
年賀状を辞めるというお知らせをもらったとき、「なんだか寂しいな」「もしかして、私って嫌われているのかな?」とネガティブに感じてしまう人がいるのはなぜでしょうか。
ここでは、受け取った側が不愉快に感じたり、モヤモヤしたりしてしまう心理的な理由と、送る側がやってしまいがちなNGな対応について詳しく解説していきます。
相手がどう受け取るかを知ることで、トラブルを未然に防ぐヒントが見えてくるはずですよ。
誤解を防ぐため全員一律の辞退と今後の連絡先を示す
年賀状じまいのお知らせを書く際に一番気をつけたいのは、「あなただけ」に送るのをやめたのではないと、しっかりと言葉にして伝えることです。
受け取った側は、どうしても「自分との縁を切りたいから年賀状をやめたのかも」と不安になりやすいんですよね。
そのため、「どなた様にも」「皆様一律で」といった言葉を添えることが非常に重要になってきます。
ポイント:自分だけが切られたわけではないと安心してもらうため、全員に同じ対応をしていることを明記して誤解を解きましょう。
また、年賀状という形での挨拶は終わっても、お互いの関係をこれからも大切に続けていきたいという気持ちを伝えるために、今後の連絡先(LINEやメールアドレス、電話番号など)を忘れずに書き添えましょう。
この一言があるだけで、相手の安心感はぐっと変わってきますよ。
一方的な絶縁状と受け取られやすい文面の特徴
せっかくの挨拶が、まるで「絶縁状」のように冷たく受け取られてしまうことがあります。
それは、理由やこれまでの感謝の言葉が一切なく、ただ「今年で年賀状をやめます」という事実だけを突きつけるような文面になっているケースが多いからです。
長年にわたりやり取りをしてきた相手に対して、まるで事務的な通告のように感じさせてしまうと、「今まで楽しくやり取りしていたのに、急に冷たいな」と不愉快な思いをさせてしまいますよね。
注意:相手への思いやりや前置きがなく、事務的な言葉だけで関係を終わらせるような書き方は絶対に避けましょう。
文面には必ず、これまで年賀状をいただいたことへの心からの感謝の気持ちや、これからも変わらずお付き合いをお願いしたいという前向きな言葉を添えることが大切かなと思います。
他の人と選別されたと感じる寂しさやモヤモヤ
年賀状じまいを受け取ったとき、「もしかして私だけ年賀状のリストから外されたの?」と感じる人が少なくありません。
例えば、共通の友人がいる場合、自分には年賀状じまいのハガキが来たのに、別の友人にはこれまで通り普通の年賀状が届いていた……なんてことが発覚したら、かなりモヤモヤしてしまいますよね。
このような「人によって選別された」という感覚は、相手のプライドを傷つけ、深い悲しみを与えてしまいます。
自分は相手にとって大切ではないのだと思わせてしまうのは、これからの人間関係において大きなマイナスです。
だからこそ、年賀状を辞めるのであれば、一部の人だけではなく、親戚も友人も含めて一斉に辞めるというスタンスを取るのが、一番波風が立たない誠実な方法だと思います。
終活やSDGsなど自己都合の理由を押し付ける反発
最近の年賀状じまいの理由として、「終活の一環として」「SDGsなど環境への配慮のため」といった言葉を見かけることが増えました。
確かに社会的な大きな流れではあるのですが、受け取る側からすると、少し冷たく、どこかよそよそしく感じてしまうこともあるようです。
「自分の手間やコストを減らしたいだけでは?」「こちらの楽しみにしている気持ちは考えてくれないの?」と、送信者側の自己都合や思想を押し付けられているように感じて反発を覚える方もいらっしゃいます。
補足:理由を書くときは、あまり大げさな言葉を使わず、「高齢になり手書きが難しくなった」「時代の変化に合わせ、今後はデジタルで」など、相手が身近に感じて納得しやすい、少し角のとれた表現を選ぶと良いかもしれませんね。
LINEなど代替の連絡手段がないことによる断絶感
「これからはLINEやメールでご挨拶します」と書かれているのに、肝心のLINEのIDやメールアドレスがどこにも書かれていない……。
そんな年賀状じまいを受け取ったら、「じゃあ、どうやって連絡を取ればいいの?」と困ってしまいますよね。
具体的な連絡先が書かれていないと、「本当はもう連絡を取りたくないから、わざと書いていないのかな」と、完全に音信不通を宣言されたような断絶感を与えてしまいます。
連絡先記載のワンポイント:LINEのID検索は、お互いに年齢確認が完了していないと利用できない場合があります。
相手がスムーズに登録できるよう「友だち追加用のQRコード」を印刷して載せるのが最もおすすめです。
また、ハガキにIDを記載することに抵抗がある場合や、相手がLINEを使っていない可能性も考慮して、メールアドレスや電話番号を併記しておくとより安心です。
年賀状じまいで不愉快にさせない実践マナーと文例集
ここからは、相手に嫌な思いをさせずに年賀状じまいをスムーズに進めるための具体的な方法をご紹介します。
どのような理由を添えればカドが立たないのか、親戚や友人など相手との関係性に合わせた文面の書き方、そして送るタイミングについてなど、すぐに実践できるマナーと文例をまとめました。
ご自身の状況に合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
全ての方へ一律に控えると明記してカドを立てない配慮
繰り返しになりますが、年賀状じまいを成功させる最大の秘訣は「全員に対して例外なくやめます」としっかりアピールすることです。
この一言が文面にあるかないかで、受け取った側の印象は天と地ほど変わります。
- 「本年をもちまして、どなた様へも新年のご挨拶をご遠慮させていただくことといたしました」
- 「皆様一律に、年賀状でのご挨拶を卒業させていただくことになりました」
このように、「例外なく全員です」ということを強調することで、相手の「私だけ送られなくなったの?」という不安を取り除き、カドを立てずに納得してもらうことができます。
相手への感謝を伝えやすい納得の理由の選び方
年賀状を辞める理由は、年齢や現在の生活環境によって様々だと思います。
ここで大切なのは、相手が読んだときに「それなら仕方ないね、お疲れ様」と自然に納得できる理由を選ぶことです。
| 年齢・状況 | おすすめの理由の伝え方 |
|---|---|
| 30代・40代 | 「スマートフォンの普及など時代の変化に伴い」「子どもの進学や就職を機に」 |
| 50代 | 「生活の節目を迎え」「これからはデジタルツールを活用したく」 |
| 60代以上 | 「年齢的なこともあり、文字を書くのが少し大変になってまいりました」「還暦を迎え」 |
どんな理由であっても、最後には必ず「これまで温かいお付き合いをいただき、本当にありがとうございました」と、これまでの感謝の気持ちを丁寧に伝えることを決して忘れないようにしたいですね。
マナーの豆知識(句読点について):年賀状などの改まった挨拶状では、「おめでたいことに区切りをつけない」「良縁が途切れないように」という縁起を担ぐ意味や、相手への敬意を払う意味から、句読点(「、」や「。」)を使わずにスペースを空けて書くのが伝統的なマナーとされています。
以下の文例もそのマナーに沿った表記になっています。
親戚や目上の方へ送る礼儀を重んじた丁寧な文例
目上の方や親戚へお知らせする場合は、礼儀を尽くしつつ、年齢や生活の節目を理由にするのが一番自然で角が立ちません。
【親戚・目上の方向けの文例】
謹んで新春のお慶びを申し上げます
旧年中は大変お世話になり 心より感謝申し上げます
さて 誠に勝手ではございますが 私も(年齢/還暦/退職など)を迎え はがきの準備が少し負担に感じられるようになってまいりました
つきましては どなた様にも本年をもちまして年賀状でのご挨拶を失礼させていただきたく存じます
これまで長年にわたり 温かいお言葉をいただき本当にありがとうございました
今後は電話やメールにて 近況をお知らせできれば幸いです
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
このように、へりくだった丁寧な表現を使いながら、これからも変わらず関係を続けたいという意思をしっかり伝えると好印象を与えられますよ。
友人や同僚へ送る連絡先を添えたフランクな文例
普段からよく連絡を取る友人や同僚には、あまり堅苦しくなりすぎず、LINEやSNSへの移行を気軽に提案するスタイルが良いかなと思います。
【友人・同僚向けの文例】
あけましておめでとうございます!
昨年は色々とお世話になり ありがとうございました
さて 時代の流れもあり 私は今年を最後に皆様への年賀状を卒業し 来年からはLINEでのご挨拶に代えさせていただくことにしました
ハガキでの挨拶はなくなりますが これからも変わらず仲良くしてもらえると嬉しいです!
今後はぜひこちらの連絡先(LINE QRコードやメールアドレス)へ気軽に連絡してくださいね
今年が〇〇さんにとって素晴らしい一年になりますように!
このようにQRコードや連絡先を添えて、次の連絡へのハードルをぐっと下げるのが成功のポイントです。
年賀状と寒中見舞いのどちらで伝えるかの判断基準
年賀状じまいをどのタイミングで伝えるか、悩む方も多いですよね。
主に「最後の年賀状で伝える」か「寒中見舞いで伝える」かの2つのパターンに分かれます。
最後の年賀状で伝える場合は、お正月の挨拶と一緒に全員に漏れなく一度に伝えられるのが大きなメリットです。
ただ、おめでたい新年のハガキに「辞めます」という少しネガティブに受け取られかねない内容を入れることに抵抗がある方もいるかもしれません。
一方、寒中見舞いで伝える場合(松の内が明けた1月8日〜立春の前日である節分・2月3日頃まで ※関西など1月15日までを松の内とする地域では1月16日以降)は、お正月ムードが落ち着いた時期にお知らせできるので、失礼になりにくいという良さがあります。
ただし、相手はすでにあなた宛の年賀状を出してしまっているため、「来年からはお気遣いなく」という事後報告の形になってしまう点には注意が必要です。
補足:どちらが絶対に正解というわけではないので、ご自身の状況や相手との関係性、地域ごとの風習などに合わせて、無理のないタイミングを選んでみてくださいね。
年賀状じまいで不愉快な思いをさせないための秘訣
ここまで色々なマナーや文例を見てきましたが、年賀状じまいで不愉快な思いをさせないための最大の秘訣は、「年賀状という『手段』は辞めるけれど、あなたとの『関係』は辞めない」という温かい気持ちを、きちんと言葉にして伝えることだと思っています。
年賀状は、日本の古き良き伝統であり、人と人を繋ぐ大切なコミュニケーションツールでした。
だからこそ、それを辞めるという決断には、相手への最大限の配慮が必要です。
「全員一律で辞めること」「これまでの深い感謝」「今後の明確な連絡先」、この3つを忘れずに文面に盛り込めば、きっと相手にもあなたの誠意がしっかりと伝わり、モヤモヤさせることなく新しい形のお付き合いをスタートできるはずです。
※なお、マナーに関する考え方は地域や相手の年代によっても異なる場合があります。
迷ったときは周囲の方に相談するなどして、ご自身にとって一番しっくりくる最適な方法を見つけてくださいね。